前向きなようで実は後ろ向きなんだよな

50歳目前の痛風持ちメタボがNYトライアスロンに参加するまでの軌跡

まえがき

つまらないブログだ。

何しろ自分さえわかればいいというスタンスで書いている。

忘れちゃうんだ、歳のせいか。

だから日記のように書いて後々見返せるようにしておきたい。

それであれば自分だけの公開にすればいいと思うだろう。

そこはいやらしい人間だと思ってくれればそれでいい。

誰も読みもしないブログでも一応公開してる方が書き続けるモチベーションが保てる。

結果、人生最後の挑戦も継続できるというもの。

自分にとって都合がいいのである。

 

経歴

 

今から20年ほど前に渡米、そのままニューヨークに住み着き今に至る。

 

以上。

 

なぜブログを書くか。

簡単にいうと太ったのだ、それもクソ異常に太り散らした。

学生時代55キロだった体重が107キロにまでなった。

身長は170センチ。

この身長で107キロかよ。

バケモンだろ。

そして痛風。

初めての痛風は15年前だ。

足がふくれ上がり数日は地獄の苦しみだった。

痛風も回を重ねると案外うまく対応できるようになってくるがそれは解決にはならん。

自己診断で肝臓も腎臓も機能低下して糖尿まっしぐらである。

 

年齢49歳

 

もうだめだ。

死ぬしかない。

だったら人生最後の挑戦に挑む。

このダッブダブな身体を引き締める。

そして最終的にニューヨークトライアスロンに出る。

痩せるにも目標が必要だ。

 

運動なんて全くしていない。

中高時代は郷土部、写真部、帰宅部だ。

大学時代はバスケサークルと称してはいるが思い出は連日酒を喰らっていたこと。

だからトライアスロンなんて出る素地は無い。

ニューヨークシティマラソンには思い出作りに2度ほど出た。

走るのではなく6時間以上歩いたのが正しい。

翌日から1週間は寝たきりになった。

 

そんなところだ。

さあ、まずは何から始めようかと考えた。

弱虫ペダル - Wikipedia

見て単純にかっこいいと思った。

ロードバイクやっている友人にLINEとメールでアドバイスをいただく。

 

買った

 

ケストレルっていうメーカーのターロンというロードバイク。

フルカーボンでとても軽く、コンポも105でなかなかのものだ。

 

これが去年の走行距離だ。

 

6月   94マイル (151km)

7月 129マイル (207km)

8月 410マイル (660km)

 

そして体重推移データだ。

 

6月 237パウンド (107.5kg)

7月 229パウンド (103.9kg)

8月 219パウンド   (99.3kg)

 

ロードバイクにも慣れてきて距離も伸びてきた。

体重も徐々に落ちてきた。

食事制限は一切なしだ。

酒も腹がタップンタップンいうほど飲んでいる。

ちなみに体重が100kg切ったのは5年ぶりくらいだと記憶している。

 

さて、なぜ8月までのデータしかないんだと思うだろう。

9月5日、事故ったのだ。

ブルックリンからクイーンズへ向かう途中の深夜の交差点。

気がついたら病院のエマージェンシールームのベッドの上。

救急車で運ばれたらしい。

事故の記憶は全くない。

車に衝突したのか、信号や建物に激突したのか、道路の穴や段差で転倒したのか。

事故の全ての記憶がない。

 

状態は額が割れたらしく縫合されている。

鼻の下が裂けたらしくそこも縫合されている。

なんだか下唇が妙に腫れている。

(これは後日膨れている箇所をニキビ潰す要領で無理やりギュッとやったら唇の中から歯の欠片が飛び出てきた。)

前歯3本が消失。

 

そうこうしているうちにそろそろ帰れと言われる。

そう言われて初めてまじまじと自分を見る。

買ったばかりのScottのバイクシューズは無く裸足。

Giroのヘルメットもグローブも無い。

そしてロードバイク自体も無い。

細かいこと言うけどさ、ペダルもSPDに変えて、CamelBakのボトルも2本付けた。

それが全部消えた。

医者に聞いたが病院ではわからんと。

救急車に聞いてくれと言われたが救急車がどこの救急車だかもわからん。

ナースもCT技術者も知らんと言う。

顔は包帯と血染めのガーゼ、裸足、首から下まで縦に裂かれたTシャツ。

唇裂けて前歯なく、息を吐くと唸っているように聞こえる。

そんな姿でウーウー言いながらERスタッフにズリっズリっと向かって行く。

 

あーもういいや

 

命あっての物種だ。

諦めよう。

そしてまたいつか自転車を買える日まで精進しよう。

だって此処じゃこうなったらもう絶対無理だから。

 

その後、抜糸や前歯3本欠損箇所の激痛とか色々あったが12月にやっと前歯も揃った。

ちなみに病院治療費、救急車、歯科治療でざっくり2万ドル。

200万円以上。

 

ゲロ出る。

死ぬ。

 

続くものだ。

コツコツと小さな木工製品のクラフトをしていた貧乏工場が事故後すぐ閉鎖。

オーナーの事情だが追い出された。

アメリカじゃよくあることだが重なるときつい。

 

世も世なら、そろそろ敦盛でも舞って終焉を迎える年齢になる。

高額な治療費の請求、心の拠りどころだったロードバイクの消失。

夢も希望もなくなり、肉体的、経済的そして精神的に傷ついた。

ろうそくの灯も消えつつあった。

 

どうせ終わりなら最後に何かあがいてみようか。

だれきったこの身体をシェイプすることできっと何かが変わるんじゃないか。

そうだ、このダブついた醜悪な身体を元に戻そう。

そう心に強く思う大晦日。

大好きな酒もこの日封印した。

 

2017年元旦。

誰からも注目されていないおっさんの人生最後の挑戦はスタートした。